LLP設立にあたり決定すべき事項

ここでは、LLPを設立するにあたって決定すべき事項をご案内いたします。以下の事項は設立の際の契約書作成・登記申請に必ず必要な事項となります。項目ごとに法律上の制限や細かな注意点がありますのでご確認ください。

 

1.事業内容 »事業内容(目的調査)について

「目的」は、事業の内容をいいます「。会社を設立して何を行うか」というのは法律によって「登記しなければならない事項」と定められており、定款にも記載しなければなりません。

事業内容には、公序良俗・強行法規に違反する目的を定めることはできず、また明確性・具体性を著しく欠くような目的を記載すると登記の際に受理されません。

目的には、創業当初には行わないが将来的に行いたい事業の目的も挿入することができます。将来の事業展開で行う予定のものや行う可能性があるものなど、関連する業務を目的としておくとその事業を数年後に開始する際に定款・登記を変更する手間と費用を省くことができます。

目的の変更には株主総会の決議が必要であり、株主が複数いる場合は「株主の招集通知→株主総会の開催→定款の変更決議→定款変更→目的変更登記」などと非常に手間がかかります。また、定款の変更には費用は必要ありませんが、登記事項の変更申請には登録免許税として3万円かかります。

 

2.商号 »商号調査について

「商号」は組合の名称です。株式会社・LLCを設立する場合と同じように、商号の中に必ず「有限責任事業組合」という文字を用いなければなりません。「セントラル新潟 有限責任事業組合」あるいは「有限責任事業組合セントラル新潟」などです。「有限責任 セントラル新潟 事業組合」と分割することは認められませんが、「セントラル 有限責任事業組合 新潟」は可能です。

新会社法の法文上は既に存在・登記済みの会社と同一または類似する商号(類似商号)の使用は可能なのですが、類似商号を使用した場合には不正競争防止法に抵触する恐れがあり、名称使用の差止訴訟や損害賠償請求をされる可能性があります。近隣の株式会社・有限会社など、あるいは有名会社の名称と同一又は類似の商号は避け、オリジナルの商号を使うことをおすすめいたします。

 

3.事務所の所在地

組合契約書および登記申請書には、LLP事務所の所在地を記入します。登記申請書には所在地住所の全部を記入しますが、一般的に組合契約書には最小行政区画(新潟市の場合には「新潟市中央区」「新潟市西区」など、それ以外の場合は「新発田市」「三条市」など)まで記入します。

組合契約書に最小行政区画までしか記入しない理由は、同じ区内あるいは市内であれば組合契約書の変更手続きが不要だからです(先述の事業目的と同様、組合契約書変更には組合員全員による決議が必要です)。

 

4.組合員の氏名・名称および住所

組合員は2人以上いることが必要です。個人はもちろん、法人が組合員になることもでき、人数に制限はありません。ただし、意思決定には全員の同意が必要となりますので、LLPへの参加はおのずと限られた人数となるのが一般的です。法人組合員の場合は、法人社員の中から職務執行社員を定めます。代表取締役が職務執行社員となる必要はありません。

 

5.組合契約の効力が発生する年月日

組合契約は出資の履行が完了しなければ効力が発生しないので、「組合契約の効力が発生する年月日」は全組合員の出資が完了した日以降に定めるのが妥当です。

 

6.組合の存続期間

LLPは契約ですので存続機関を定めなければなりません。ちなみに存続期間に制限はなく、契約期間延長の定めも可能です。参考までに、経済産業省の発表(平成17年12月)によると、もっとも多いのが10〜14年(38%)、ついで20年以上(25%)、5〜9年(22%)です。

 

7.出資する金銭・物および価額

出資する価額は1人1円以上、LLPは2人以上が成立・存続に必要ですので2円以上であれば設立することができます。ただし、実際に業務を行うにはある程度の資金が必要となりますし、対外的な信用の面でも会社の事業内容に見合ったある程度の額をご用意いただいたほうがよろしいかと思います。

資本金の額が大きいと、負債を抱えて倒産した場合に差し押さえる財産がたくさんあるということであり、債権者としては安心=信用が大きいということなのです。また業界での実績・評判と、正確な決算書を作成していくことも信用力アップには不可欠です。

出資する価額の総額が決まったら、組合員ごとにいくら出資するかを決定します(組合員ごとにいくら支払うか決めた後、それを出資額総額としても問題ありません)。

ご注意いただきたいのは、信用力アップその他の目的で出資額の額を大きくするために一時的に大金を借りて出資額を増額し、会社の成立後すぐに返済するのは「見せ金」という犯罪行為ですから決してなさらないでください。

 

8.組合の事業年度

組合は必ず毎年1回、期日を決めて会計を区切って税金の申告をしなければなりません。区切った1年間を事業年度といいます。当事務所にも事業年度があり、11月1日から10月末日がこれにあたります。事業年度の最後の日を決算日(10月31日)といいます。

事業年度は自由に決めてかまいませんが、決算日から2ヶ月間は税務申告で忙しくなるため、繁忙期を避けて比較的余裕のある時期に決算・税務申告を行うように事業年度を設定します。

また事業年度は1年を越えて定めることができません。逆に1年のうちに複数回定めてもかまいませんが、決算の回数だけ決算処理や政務申告の手間が増えるため、年1回とする場合がほとんどです。

 

9.その他

上記のものは登記の際に必要ですので必ず契約書に記載しなければなりません。しかし、その他の内容は契約書に記載してもかまいませんし、契約書とは別途に内部規定としてもかまいません。契約書に記載すると、変更は総社員の同意を経て変更登記をする必要がありますので、内部規定としておくほうが便利です。

 

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